Jewelry「時」にまつわるエッセイ
「時」にまつわるエッセイを随時募集しています。
あなたの「時」にまつわるお話し、聞かせてください。
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「時(とき)にまつわるエッセイ」にたくさんのご応募ありがとうござました。
厳正なる審査の結果、入選は以下の優秀賞2名、入選6名の皆さまに決まりました。
おめでとうございました。
優秀賞受賞作品から毎月、このページでご紹介してまいりますのでどうぞお楽しみに。

※Vol.8の作品をもって、入賞作品のご紹介をすべて完了いたしましたのでエッセイの更新は今回をもって終了とさせていただきます。

優秀賞
広島市 山岡さま 「時を越えた約束」
廿日市市 能島さま 「時、満ちて」

入選
安芸郡 慶徳さま 「大切な人を想うとき」
三原市 後藤さま 「時・とき」
広島市 島川さま 「時間よ止まれ、
時間は止まった」
広島市 今本さま 「時」
東広島市 村上さま 「やすらぎのとき」
広島市 貫地谷さま 「わたしの一番特別な時」


わたしの一番特別な時
December 2004

たしにとって特別な時はいつだろうと考えたとき、
ある映画のタイトルが浮かんだ。自分だったらどうだろう。「死ぬまでにしたい10のこと」が、なかなか思いつかない。これからやりたいことはいくつかある。欲しい物もけっこうある。何より、今、自分の一生が終わるとは考えたくないからだろうか。
振り返ってみると、嬉しかったことはいくつも思いだせる。大学合格、結婚、子どもの誕生・・・。悲しいことは? いくつかあるのは確かだが、あまり思いだしたくない。

の自分は?夫と二人の子どもに恵まれ、
「何の苦労もなさそう」と人には言われる。夫と私の双方の両親も健在だ。そのおかげで、好きなことにいそしめる。幸いにも、声をかけてくださる方があって、主任児童委員、学校ボランティア、「ひろしまチャイルドライン」という子どものための電話の運営スタッフをしている。充実して適度に忙しい。
どうして好んで忙しい思いをするのかと不思議がる人には、「貧乏性だから」ととぼけ、「ボランティアって、何が楽しいの?」と言う人には、「わたしの趣味よ」と笑って返せるようになった。四十代後半になって肩の力が抜けたみたいだ。自分を飾らずに人と話せるようになって、わたしはお喋りになった。今や、「十代の頃は人見知りで無口だった」と言っても、誰も信じてくれない。
今の社会は、他人に優しくするゆとりを失っているように思える。過酷な社会で苦戦を強いられている子どもたちに、昔、子どもだった一人からエールを送りたいのだ。自分の手に合う範囲で、力まずにできることをしたいと思っている。
そうしてみると、わたしの「一番特別な時」は、今現在なのかもしれない。
written by 貫地谷

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Vol.8 わたしの一番特別な時
Vol.7 やすらぎのとき
Vol.6 時
Vol.5 時間よ止まれ、時間はとまった
Vol.4 時・とき
Vol.3 大切な人を想うとき
Vol.2 時、満ちて・・・
Vol.1 時を越えた約束